最近テレビでよく耳にするフィトンチッド。森林浴の成分で健康に良いとのことだが、どんなものなのか?
wikipediaによると、
フィトンチッド(phytoncide)とは、微生物の活動を抑制する作用をもつ、樹木などが発散する化学物質。植物が傷つけられた際に放出し、殺菌力を持つ揮発性物質のことを指す。
wikipedia
森林浴はこれに接して健康を維持する方法だが、健康だけでなく癒しや安らぎを与える効果もある。フィトンチッドはその殺菌性や森林の香りの成分であるということから良いイメージがあり、森林浴の効能を紹介する際に良く用いられている。
樹木が発散する成分が殺菌、健康維持に何らかの効果を及ぼしているらしい。
詳しく調べてみよう。
フィトンチッドの殺菌効果
樹木が発散する成分「フィトンチッド」はレニングラード大学(ロシア)の生態学者ボリス・ペトロヴィチ・トーキン教授が名付けた。ギリシア古語で、フィトン「phyton=植物」チッド「cide=殺す」という意味で、植物の殺菌効果がそのまま名前になっている。
昔から自然に生活に取り入れており、ひのきのまな板、ひのき風呂、桐のたんす、笹の葉寿司、桜餅、柏餅のように、抗菌、防虫のためにフィトンチッドの力を利用してきた。
フィトンチッドの消臭効果
フィトンチッドの成分であるは内鎖状及び環状のモノテルペン類、セスキテルペン類が、ニオイ物質を分解中和して、元から匂いを消しているらしい。
確かに、森林の中には動物の死骸や排泄物がたくさんあるだろうが、悪臭を感じたことはない。
フィトンチッドに期待される健康効果
フィトンチッドに殺菌効果、消臭効果があるのはわかったが、健康にどのような効果があるのだろう?
森林浴をすれば当然清々しい気持ちになり、ストレスが緩和されていくのを感じるが、フィトンチッドによるものなのだろうか?
フィトンチッドの成分であるテルペン類には、吸い込むことで有益なことが分かってきているようだ。
フランスのアロマテラピー
フランスでは、アロマテラピーが医療の一環として用いられている。
アロマにもテルペン類が含まれており、以下の効果があると言われている。
モノテルペン炭化水素類
CとHのみで構成された炭化水素。柑橘系に多くみられる。
- 殺菌作用
- 殺微生物作用
- 抗炎症作用
- 抗ウイルス作用
- 鎮痛作用
- うっ滞除去作用
- 鎮静作用
- コーチゾン作用(ステロイド作用)、性欲を抑える
セスキテルペン炭化水素類
CとHのみで構成された炭化水素。根、木、キク科の植物に多く見られる。
- 鎮痛作用
- 鎮静作用
- 健胃作用
- 殺菌作用
- 消炎作用
- 抗炎症作用
- 抗アレルギー作用
- 抗ヒスタミン作用
- 抗ウイルス作用
- 潜在性抗ガン作用
- 静菌作用
- 免疫刺激作用
アロマは医療にも使われる強い成分のため、禁忌も多い。
森林浴って危険!?と思ってしまうが、森林中にはたくさんの種類の成分が低濃度で混ざっているため、いいとこ取りできてしまうようである。
ドイツの森林療法
ドイツ、ポーランド、イギリス、カナダ等では健康保険の適用が認められる自然療法が確立しており、森林浴もその一つになっている。日本でも林野庁と厚生労働省が健康保険が適用できる医療としての確立を目指して森林セラピーの普及を促している。
生活にフィトンチッドを
日本は森林大国と言われており、誰でも1時間くらいで森林に行けると思いますが、忙しかったり花粉症だったりで、実際はなかなか行けません。
私達はもっと身近に森林の力(フィトンチッド)を利用できないかを常に考えています。